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ドラヴィダの世界 (インド入門)
本, 辛島 昇
によって 辛島 昇
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ファイルサイズ : 19.14 MB
内容(「MARC」データベースより) 「インド入門」出版から17年。多様な国・インドのこれまでと違った深層を「ドラヴィタ」を媒介として探ってゆく。このインド亜大陸南部に見られる言語グループのドラヴィタ、その民族と文化を中心にしてインド文化を見直し、インドの魅力を発掘する。
ファイル名 : ドラヴィダの世界-インド入門.pdf
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あとがきによると、本書はもともと、辛島昇東大教授の退官記念論文集が発展して企画されたものとのことです。戦前までは、日本ではインド哲学・サンスクリット文学の研究は確立していたものの、インド史研究が開始されたのは戦後になってからのことで、その戦後の日本インド学会のインド史の成果のメルクマールとなるような書籍を目指したとのことです。編者はまえがきで以下のように自負を述べています。「わが国においても南インドを舞台とした全てのジャンルに人が揃っているわけではなく、これから研究者の育つことを待たなければならない分野も少なくない。また、本書の32名の執筆者の全てが、ドラヴィダ研究という立場に立つ研究者ではなく、インド文化と取り組む姿勢もさまざまである。したがって、その意味からは、これまでに述べてきた編者の目指すところが、本書によってただちに実現されているとはいい難い。しかしそれでも、32名の執筆者が「ドラヴィダの世界」の名の下に集まることができるのは、世界のインド研究にあっても特筆すべきことえあり、今後におけるわが国での研究の一層の進展を期待させるものである」この記載は、14年後に出版された『南アジア史〈3〉南インド (世界歴史大系)』のまえがきと比較すると興味深いものがあります。本書は、全体的には、明石書店のエリアスタディーズシリーズを、もう少し詳細にしたような内容です。エリアスタディーズと比べると、章の数が半分、その分各章の量が倍になっている書籍だと考えるとわかり易いのではないでしょうか。以下目次です。------------------------------------------------------------------------プロローグ 深層のインドへの旅立ち 辛島昇1 ヒンドゥー教の新展開(13)ヒンドゥー教の展開と南インド(16)徳永宗雄宗教改革者シャンカラ(29)前田専学シヴァ信仰の確立(41)高島淳古代ドラヴィアの神観念―ムルガン神の憑依(54)高橋孝信2 女たちと儀礼女神たちの夜・女たちの夜-チダンバラムの九夜祭(60)田中雅一ケーララ地方の祭りと芸能(83)鈴木正祟妻の力・姉妹の力―南インドにおける婚姻と吉祥(97)西村祐子清めと儀礼―タミルの成女式(111)関根康正3 古代中世の王朝権力巨石文化の地域的展開(128)深尾淳一古代デカンの政治地理―チャールキヤ朝の行政区分(141)石川寛王の神格化と大寺院の建立―チョーラ朝の試み(154)小倉泰ヴィジャヤナガル王国の封建支配(166)辛島昇4 村落社会のいとなみ世界に誇るデカンの雑穀農業(182)応地利明イギリス綿布と村の手織工(196)柳沢悠地域社会の統合原理―ミーラース体制(208)水島司イギリス人の見た南インド村落―地税制度の導入をめぐって(222)太田信宏5 ドラヴィダ言語学と古典劇ドラヴィダ語の発見(238)児玉望インド言語圏―ドラヴィダ言語学の立場から(251)家本太郎ケーララの劇作家クラシェーカラ(264)上村勝彦サンスクリット劇の新風―バーナ劇と春祭(276)横地優子6 芸術のダイナミズムタンジョールのガラス絵―東西文化の交流(294)小西正雄地方舞踊ヤクシャガーナの成立(307)姫野翠独立前夜の芸術運動―バラタナーティアムの再生(318)井上貴子タミル近代文学の生成―小説を中心に(331)山下博司7 新しい社会への胎動イギリス統治とカーストの掟―「左手」「右手」の抗争(348)重松伸司ケーララのナンプーディリ・バラモン―伝統エリート集団の苦悩(360)粟屋利江求人広告二○年の変化(373)辛島貴子仏教改宗運動の系譜―ナラスとアンベードカル(386)山崎元一8 民族の視点から南インドの資本家チェッティヤール(404)伊藤正二スリランカ経済と民族問題(416)中村尚司言語は民族を統合できるか(429)山田桂子スリランカの民族紛争とインド(442)林明文献リスト(455)写真出典一覧(463)地図(464)あとがき(466)執筆者紹介-------------------------------------------------------個人的には、特に以下の4つの章が興味深く読めました。古代デカンの政治地理―チャールキヤ朝の行政区分(141)石川寛世界に誇るデカンの雑穀農業(182)応地利明ドラヴィダ語の発見(238)児玉望インド言語圏―ドラヴィダ言語学の立場から(251)家本太郎言語系統樹という方法論の陥穽、ドラヴィダ語研究史、デカンという地理認識の由来、マハーラーシュトラの最古の使用例、いままで疑問だったテルグ民族主義とインド主義の両立等、刺激的な知見を得ることができました。デカンの雑穀農業は、現代の話ですが、同じ畑で複数の穀物を一緒に育成させるという方法には驚きました。索引と注はなく、巻末に主要文献一覧だけしかないのが少し残念でしたが、今もって有用な書籍だと思います。
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